第三章 倭人伝と『日本書紀』の接点

(5) 卑弥呼も台与も葛城の生まれ

  私が卑弥呼とする宇那比姫は『勘注系図』の中で、どのように繋がっているのか不明である。名前は記されているが、海部の人かどうかも不明である。尾張氏系譜を見て宇那比姫は尾張氏の女性であることが解る。宇那比姫は建斗米の子で、七人兄妹の一番末の娘である。宇那比姫の母親は紀伊国造(きいくにのみやつこ)知名曾(ちなそ)の妹、中名草姫とされる。
また天豊姫の母親は葛城国造(かつらぎのくにのみやつこ)の女、諸見己姫(もろみこひめ)とされる。
宇那比も天豊姫も丹波の系譜に登場するが、その父親は葛城すなわち現在の奈良県御所市を本拠地とする、尾張氏の当主である。したがって生まれは奈良県御所市であろう。



『勘注系図』と尾張氏系譜の比較。黒字が両方の系譜に登場する人物。
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