第七章 径百余歩、卑弥呼の墓

(6) 尾根全体が墓

 尾根の中心部に造られる墳丘の盛り土範囲は、おおよそ直径22mくらいである。
これがこの古墳の規模であるなら、とても径百余歩などという大きさではない。
だが私は再三の踏査の結果、尾根全体に人為的な手が加えられ、尾根全体を墳丘としていると考える。

航空写真を見ていただきたい。



北側の尾根の裾は平野部に向かって尖った形で終わる。また谷筋は山頂に向かって狭くなる。
これに比べ、南側の尾根裾は整った弧を描く。谷筋は山頂に向かって、扇形に広がる。
自然に形作られる尾根や谷の形状は、一般的に北側のような物である。
南側の尾根を、自然に形作られたとするには不自然である。私は尾根の裾や谷筋に手が加えられていると考える。尾根全体を一つの墓として形作っているのである。
樹木がなければ、まさに径百余歩の円墳である。


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